第6話

「愛美!」


玄関へと進む私に、生まれたままの姿で追いかけてくる航平。


「もし、まだ私のものが残ってたら、捨てていいから。」


「愛美!」


航平がくれたリングを指から外し、


「これは、売ったらほんの少しはお金になるかもね?」


と、航平の手を取り、握らせる。


「愛美!」


涙ぐむ航平。


「サークルは、私が辞めるから。航平は続けるといいよ。じゃ、元気で。」


「愛美!」


「あ、そうそう、これもね。

普通の女の子なら、前カノのお古はイヤだろうから、これは捨てた方がいいかもね。」


キーホルダーから合鍵を外し、航平に渡す。


「愛美!」


バタン。

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