第71話

ダメだ。


廣田くんといると、顔の熱は引かないし、心臓はドキドキうるさいし、寿命が縮まってしまいそう。


「陽緋、身体が落ち着いたら送るよ。」


廣田くんがあたしの頭を撫でる。


気持ちよくて目を閉じる。


それから、その手に手を添え、頬擦りする。


「好き。」


「陽緋?」


目を開けて、廣田くんを見つめて、


「廣田くんが好き。」


廣田くんは驚いた顔から綻んだ笑顔に一変し、


「ありがとう。俺も好きだよ。」


と言ってくれたけど。


それって、亜美先輩の次に、だよね?


しかも、亜美先輩への好きとあたしへの好きって気持ちには、雲泥の差があるよね?


そう考えたら切なくなった。

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