第47話

「おはよ。」


「あはよー。」


「はよー。」


席に付き、バッグから荷物を出していると、パタパタと廊下を走る音。


「翼おはよ。」


「翼、どしたの、怖い顔して。」


バンッ!


あたしの机にバッグが投げつけられ…。


「廣田くん…?」


「ちょっと来て!」


腕をすごい力で掴まれ、引っ張られる。


「痛い!放して!」


「いいから来て!」


「翼ぁ、上野さん、嫌がってるじゃん。」


隣の席の田村くんが言うと、廣田くんはハッとした顔をして、手を離した。


掴まれていた手を見ると、指の跡が赤くくっきりついていた。


廣田くんは、


「ごめん。」


と言いながら、あたしの手に触れた。

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