第48話
あたしは、その手を振り払った。
廣田くんを見ると、驚いた顔。
「ごめん、強く握りすぎた。
でも、ちょっと話せる?
話したいんだ。」
と言った廣田くんの表情が変わっていく。
廣田くんのそんな表情があたしに向けられるなんて。
亜美先輩を遠くから見つめる時のような目。
「上野さん?」
「おーい、席つけー!
ホームルーム始めるぞ。」
担任の福原先生が入ってきた。
廣田くんは
「あとで」
と耳元で囁いて自分の席についた。
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