第40話

「楽しそうだね。」


校門に入ったところで後ろから声がした。


振り向くと、冷めた目をした廣田くんと、今にも泣き出しそうに、唇を噛みしめた亜美先輩。


「りゅーちゃん、亜美、りゅーちゃんが迎えに来るの、待ってたんだよ?」


「俺ら、別れたじゃん。」


「遅刻するからって、無理矢理後ろに乗せてきたんだから。」


亜美先輩、唇を噛みしめたまま、目に涙を溜めてる。


「亜美、これからは、普通の幼馴染みとして、クラスメイトとしてしか付き合わないから。

自転車で送り迎えしたり、買い物に付き合ったり、家を行き来したりとか、今後、一切ナシね?」


亜美先輩の大きな目から、涙がポタポタ零れ落ちる。

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