校門の近くまで来ると、隆太先輩は

「ここで降りて、歩いていこうか。」

と、自転車を止めた。

「陽緋ちゃん」

「はい？」

「もし、亜美が何かしてきたら言ってね。

これ、俺の連絡先。」

ポケットから出されたカードを受け取る。

「登録しといて。あ、俺、カタカナで“リュー”だから。

陽緋ちゃんは？」

「あたしは平仮名で、“はるひ”です。」

「学校着いたら、即効登録してね。

俺、スマホと睨めっこして待ってるから。」

隆太先輩がスマホと睨めっこするところを想像したら、おかしくて、笑ってしまう。

隆太先輩も釣られて笑い出す。

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