第38話

翌日。


靴を履いて玄関のドアを開けようとすると、家のチャイムが鳴った。


そのままドアを開けると、



「おはよ。陽緋ちゃん。」


「隆太先輩!」


「一緒に行こう。」


親指で自転車を指差す。


「え、でも二人乗りって、ダメなんですよね?」


「陽緋ちゃん、堅いこと言わない!

さ、乗って乗って!」


持っていたトートバッグは自転車のかごに入れられてしまった。


「スリーウェイは、背中に背負うか、襷掛けにしてね。」


言われるままに背中に背負う。


「はいっ、乗って、ちゃんと捕まって。がっちりね。

しゅっぱーつ!」


朝からテンション高いなぁ、隆太先輩。

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