第41話

「私が重いとかじゃなくて、そのコのことを好きになったから、別れるって言ったの!?」


亜美先輩はポロポロ涙を流しながら隆太先輩の服を握りしめてる。


「陽緋ちゃん、先行って。

亜美、陽緋ちゃんは関係ないから。

俺が亜美といるのに疲れただけ。」


あたしが、隆太先輩に頷き、校舎の方へ歩き出すと、


「待って、上野さん。」


廣田くんがあたしの手首を握り、引っ張る。


「一緒に行こう。」




隣に並んだ廣田くんの顔をチラッと見る。


怒ったような、悲しそうな表情。


あたしが見てるのに気づき、こっちを見るから、思わず顔を反対に向けてしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る