第31話
チャイムを鳴らし、応答がある前に玄関のドアを開ける隆太先輩。
「陽緋ちゃん、上がって。翼ぁー!」
パタパタとスリッパの音がして、廣田くんがやってきた。
「上野さん。」
「……こんにちは。」
「陽緋ちゃん、上がって。翼、なんか冷たいもの。
俺と陽緋ちゃんの。」
「上野さんも、上がって。」
出されたスリッパを履く。
「お邪魔します。」
「先、部屋行ってるよ。陽緋ちゃん、こっち。」
またもや手を引っ張られる。
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