第27話

「なんで?付き合ってるんだよね?」


「でも、好きって言われたわけじゃないし…。

それに、廣田くんは、亜美先輩のことが好きだし。」


「でも、亜美は翼のこと、別に好きじゃないよ。」


「え!?」


「翼のことは、弟のようにしか思ってない。」


「……」


「でも、亜美は、翼が自分のこと好きだと知ってるよ。で、都合のいいときに呼びつけてる。」


「隆太先輩は、亜美先輩のこと、好きなんですよね?」


「好きだと思ってたんだけど、段々重く感じてね、最近じゃ、顔見るのもうんざりするほどだったんだよ。」


隆太先輩は、消毒薬を、ピンセットでつまんだ脱脂綿に含ませ、


「ちょっと滲みるよ。

ハイッ、終わり。」


「ありがとうございます。」

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