第26話

「陽緋ちゃんが階段を上がるの、見たんだよね。」


「ごめんなさい。聞くつもりは…」


「わかってるよ。でも、イヤなところを見せちゃったね。」


苦笑いする隆太先輩。


「いえ…」


「亜美、自分のことしか見えないし、考えられないんだよね。

昨日、ホントは翼と帰るつもりだったんじゃない、陽緋ちゃん?」


なんで知ってるの?


あたしの顔にそう書いてあったのか、


「陽翔がその話してるの、偶然聞いちゃったんだよね。」


「はぁ…。」


「翼も翼だけど。」


「しょうがないです。」

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