パタパタと、男の人が走っていった。

あの緑のスリッパ、３年生だ。

女の人が、後を追って行った。

あの後ろ姿…亜美先輩！

放課後、廣田くんと昇降口に行くと、亜美先輩が２年生の下駄箱前に立っていた。

「翼、一緒に帰ろう。」

廣田くんがあたしの様子を窺っているのに気付かないふりをし、

「廣田くん、また明日。」

あたしは走ってバス停に向かった。

校門を出ようとしたとき、誰かとぶつかった。

「わっ！」「痛っ！」

あたしはぶつかった衝撃で、尻餅をついてしまった。

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