第19話

「なん…」


「佳代子に聞いた。佳代子、心配してたよ。」


「うん。わかってる。」


「俺も心配だよ。アイツ、亜美先輩しか見えてないだろ、それでいいの?」


そんな、心配そうな顔、初めて見るよ。


ごめんね。心配かけて。


「いいの。」


「そうか。なら何も言わない。でも、話を聞くことはできるから。」


「ありがとう。」


「じゃ、俺、部活行くから。気を付けて帰れよ。」


あたしの頭を軽くポンと叩いてから、陽翔は微笑む。


「うん。ありがとう。」


陽翔は昔から優しい。


顔もイケメンの部類に入るし、勉強やスポーツもまあ、できるほうだ。


何回か、告白されてるのを見かけたことがあるけど、彼女がいたことはない。

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