第17話

あたしたちはlineを交換した。


「上野さん、今日の帰り、うち来る?」


「うん」


廣田くんと付き合うことになって、浮かれていた。





放課後、廣田くんと昇降口に行くと、亜美先輩が、


「翼、一緒に帰ろう!」


と言ってきた。


すぐにあたしに気づいて、亜美先輩が


「友達?」


と訊くと、廣田くんは


「うん。」


と答える。


そっか、亜美先輩の前では‘友達’なんだ。


廣田くんは、あたしと付き合ってるけど、好きなのは、亜美先輩なんだ。


「上野さん、悪いんだけど、うち来るの、明日にしてもらえる?」


「えっ!?あっ…うん。いいよ。」


「亜美、帰ろうか。」


あたしには見せない笑顔を亜美先輩に向け、廣田くんは、あたしを振り返ることなく、亜美先輩と自転車置き場の方に、歩いていった。

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