第12話

グラスを左手に、ストローを右手に持って、アイスティを啜る。


「ねぇ、上野さん。」


「なぁに?」


「上野さんて、俺のこと、好きなの?」


「えっ!?ゴホッ!」


唐突にそんな質問をぶつけられ、びっくりして、アイスティが気管に入った。


「大丈夫?」


背中を擦ってくれる。


「俺のこと好きって、違った?」


違わないけど、そんなストレートに訊いてくるもん?


「好き…だけど…」


「じゃ、俺たち、付き合う?」


「えっ!?」


「上野さん、俺のこと、好きなんでしょ?」


「でも、廣田くんは、…」


「何?」


「亜美先輩を…好きなんでしょ?」


一瞬、冷やかな目をして、


「……。俺と付き合う?付き合わない?」


「よっ…宜しくお願いします!」


こうして、付き合うことになった。

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