第10話

「おいしい。」


「誰にでもつくれるけどね。」


「え、でも、木の葉リンゴとか…家庭科で習ったけど、あたし、したことないよ?」


「あんまり家ではしないよね。」


お母さんが持ってきたコーヒーをブラックで飲む廣田くん。


「上野さん、英語得意?明日訳が当たりそうなんだけど…。」


「どこ?」


「ここにいると、店手伝わされるから、自宅行く?」


「えっ!?」


「ダメ?」


そんな仔犬のような目で見つめられたら断れないよ。


「いいよ。」

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