第6話
放課後が待ち遠しすぎて、時間がちっとも進まない。
楽しい時間は早く過ぎて、そうでない時間はなかなか進まないっていうけど、それって、楽しい時は時計なんて見ないけど、そうでない時は、ついつい時計を何度も見るから、時間が進まないような気になるんだって。
ホントにそうで、ずっと時計とにらめっこしてる。
やっと放課後になった。
「上野さん、行こうか。」
「廣田、今日は上野さんなんだ?明日は私とね?」
「バイバイ。」
『今日は上野さんなんだ?』って…そんなに、毎日取っ替え引っ替えなの?
「上野さん、甘いもの、好き?」
「うん。好きだよ。」
「よかった。あ、上野さんて、バス通だっけ?」
「うん。」
「俺、自転車だから、後ろ乗って。」
自転車置き場に行く途中、廣田くんがピタリと止まった。
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