第65話

「美咲?」


「あ…明日も早いから、このあと、寮に送ってくれる?」


正和は「ぶー」と言い、


「なんで?久しぶりに会えたとに」


と言う。


連休は仕事って言ったのに、来るからでしょ。


イライラは増すばかり。


「ご馳走さま。」


正和は渋々アタシを寮近くまで送る。


着くなり、アタシは、シートベルトを外し、さっと車から降りた。


いつも、別れ際、正和は車の中でアタシにキスしたり、胸を弄ったりしてくるから。


「帰り、気をつけて。」


「おやすみのチューは?」


「誰が見てるかわからないから。じゃ、おやすみ。」


さすがに今日は、冷たすぎたかなと反省しつつ、自分の心の中に正和が占める場所なんてないことに気づき、とりあえず、距離を置くことにしようと決める。


地理的な距離的は十分離れてるんだけど。

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