第64話
それなら、終わったあと、トイレに行ったら、出たよ。
でも、それが何?初めてと言ったのを、嘘だと疑ったワケ?
初めての体験が苦痛なものでしかなかったからか、アタシは、『愛し合うこと』に何の喜びも感じることができないでいた。
会うと必ず正和は求めてきて、アタシは、それを受け入れる。
ホントはイヤなのに、拒否したらまた「なんで?」と傷ついた顔をされるのが鬱陶しくて。
回を重ねても、ちっともよくならなかった。
「気持ちいい」ものじゃないの?
アタシ、苦痛でしかないんだけど、アタシの身体、おかしいの?
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