第40話

「もしもし?」


「美咲?」


「うん。久しぶり。」


「外におっと?」


「うん。会社の人と飲んでる。どうしたの?」


急に黙り混んで、なんだか不機嫌な正和。


「用がなかとやったら、電話したらいかんと?」


「そういう意味じゃないよ。ごめん、会社の人待たせてるから、またかけ直すね。」


「わかった。」


アタシは新しい生活に慣れるのに精一杯で、正和に電話することも、正和のことを思い出すことも、段々減っていた。




「すみません。」


「美咲っち、彼氏から?」


「うん。なんか機嫌悪かった。」


「喧嘩したの?」


「してないけど…」


「片岡チャン、彼氏いるの?どんな人?」


「芸人の○△に似てると、うちの母が言ってます。」


「マジで?性格がいいの?」


「んー。友達は多いけど、よく腹が立ちます。

アタシにコチョコチョをずっとするんですよ。

やめてと言っても。

ホントは蹴って止めさせたいけど、我慢してます。

あとは、一緒に1つの布団で寝てると、布団を独り占めするところですかね?

それと、」


「ノロケはもういいよ。」


「ノロケていません!腹が立つんです。」

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