第13話

って、え?

「かわいいって思ってくれてたんですか?」


「うん。調理場でもオジサンたちが、フロントの片岡さんを食事に誘おうかって、よく話してる」


そういえば、アタシおじいちゃんにモテるかも?


設備担当のおじいちゃん(70はじめくらいの村山さん)がアタシを見るたびに「美咲ちゃーん」て抱きついてくるし、一回焼き肉に誘われて、そのあと誰もいない自宅に招かれたわ。もちろんなにもなかったけど。


もう一人の設備担当の万田さん(30くらい)は早苗を見る目が怪しかったなぁ。彼女いるのに。


なんて思い出しながら、好きな人には全然なんだよね、って落ち込んだり。


「ところで、名前、なんだっけ?」


「片岡ですけ…」


「ぶふっ。下の名前!」


「美咲です」


「名前で呼んでい?」


「いいですよ。」


「じゃ、美咲(←イキナリ呼び捨て?)、今度、お昼においしいもの食べに行かない?二人で。」


「明日私、公休日なので、大丈夫ですよ。

田原さんは?」


「3時までに調理場に入ればいいから、じゃ、明日行こう。10時に寮近くのコンビニで待ってる」


「了解です。」

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