只今10時半。

駅前を通りかかる。

チラッとそっちを見ると…優心が女の子二人と楽しそうに喋ってた。

待ちながら、ナンパしてるんだ。

アタシに気づいた優心が、

「紗香！さや…」

走ってきた優心が知己に気づく。

「俺たち、これからDVD借りに行くんだけど、なんか用？」

「紗香、デートはどうなったの？」

「そんなの、優心が浮気した時点でナシに決まってるじゃん。」

「してないよ。」

「先輩、昨日の女の人は？」

「だから、アニキの婚約者だって。」

「でも、先輩、その人と、部屋取ったんでしょ？」

「結婚式の衣装合わせだったんだよ。」

「なんでお兄さんじゃなくて、優心が付き添うの？」

「それは…」

「紗香、俺、適当に借りて帰るから、家で話したら？」

「うん。」

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