第20話

「知己…」


「俺にすれば?」


知己はアタシにキスしてきた。


「ちょっ…知己!」


「俺とは、イヤ?」


「あの、なんていうか、アタシ、そういうことは、その…未経験なんだよね。」


「え?」


「アイツとは?」


「キス止まり。」


知己は再びアタシの唇を塞ぐと、舌を侵入させてきた。


「ん…んー!」


「まさか、こういうキスも…」


「したことない。」


知己は驚きを隠せないという表情をした。


「アタシ、きっと女としての魅力がないんだ。」


悲しくなって泣き出したアタシを、知己は優しく抱き締めてくれた。

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