第19話

歩いていると、映画館とは別の方向に誘導される。


「どこ行くの?」


「うち。」


マンションのエントランスに着き、エレベーターに乗る。


「知己?」


「俺とは、イヤ?」


「知己は、好きな人いないの?」


「いるよ。」


エレベーターの扉が開き、一番奥の部屋まで行くと、知己は鍵を開けた。


「こっち。」


シンプルな部屋だった。


机、ベッド、センターテーブル、棚。


棚にはCDや本がキレイに並べてある。


カーテンはキレイな青。


「好きな人はいるよ。」


「だったら…」


「俺は、あの頃から紗香が好きだよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る