第12話

「まあまあ、こんなカッコよくなっちゃって。

彼女はいるの?」


なぜか、知己くんは、アタシの隣でアイスコーヒーを啜ってる。


「彼女はいません。今、紗香ちゃんを口説いてるところです。」


「紗香、彼氏いないでしょ?付き合ったらー?

あ、お買い物行くんだった!

知己くん、ゆっくりしてってね。」


オイオイ。お母さん?




「紗香、彼氏いること、言ってないんだ?」


いきなり呼び捨て&タメ?


ま、いっか。


「言えないよ。お母さん、あんなでしょ?

絶対連れてこいって言うから。」


「優心先輩、紗香の部屋に入ったことないんだ?」


「ないねぇ。」

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