第10話

右腕と左足首に湿布を巻かれた。


顔をかばった腕は腫れ、足は、くじいていたみたい。


保健室に、サッカーをしていた男子たちが謝りに来た。


保健の先生に中庭でサッカーなんかするなと、叱られていた。




「知己くん、ありがとう。」


「どういたしまして。」


知己くんは優心をチラッと見ると、保健室を出ていった。


「アイツ、何?」


「知己くん。」


「どういう関係?」


「別に。昨日初めて会ったばかりだし。」


「馴れ馴れしくない?」


「カッコよかったじゃん。」


ヒーロー?王子様?みたいだったよ。


これは口には出さないでおこう。


「なっ……!アイツに惚れたの?」


「昨日会ったばかりって言ったでしょ?」


そりゃ、さっきはちょっとだけドキッとしたけど。

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