第9話

昼休み。


中庭で優心とお弁当を食べ終わり、アタシがベンチから立ち上がろうとすると、


「危ない!」


サッカーボールがアタシの顔めがけて飛んできた。


咄嗟に腕で庇ったけど、体勢が悪かったのと、ボールに勢いがあったからか、地面に倒れこんでしまった。


倒れたアタシをさっとお姫様だっこしたのは、優心、ではなく、知己くんだった。


スラッとしてるのに、腕は結構太く、胸板も厚くて、少しドキッとする。


そのままお姫様だっこで、保健室に運ばれる。


「先輩、大丈夫?」


「大丈夫じゃない。痛いよ。それに恥ずかしいから、下ろして。」


「ダメ!足もくじいてるかもしれないから。」


優心がアタシたちを追いかけてくる。

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