第153話

朝になるのを待ち、リビングに戻り、気のおけない友人に電話する。


『もしもし。早いなぁ。』


「ごめん。頼みがあって。」


『なに?』


「アリバイ工作。」


息をのんだのか、一瞬間が空き、


『バレても知らないぞ?』


「そのときはその時。」


『なに?』


妻とのいきさつを全て知る直人に、奏のことや、連泊する話をすると、


『今回だけだからな?それと、バレたら知らない。』


「わかった。変なこと頼んでごめん。」


『いいよ。家のこと忘れて楽しめよ。』

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