第152話

寝室に戻り、すやすや眠っている君の寝顔をじっと見つめる。


頭を撫でて、髪を触って遊んでいると、


長い睫毛がしばたいて。


「もう、朝?」


少し掠れた声で、君が寂しそうに訊いてくる。


「まだ夜中の3時半だよ。」


それを聞くと安心したように微笑みながら、俺の身体に擦り寄って、目を閉じ、眠ってしまった。


部屋に入りたくて日曜の朝までいる約束をしてしまったけど。


妻に2日間の外泊のこと、何て言おう。


あれこれ考えていたら、結局は、妻に言い訳をする方法しか思い付かず。


言い訳なんかしたくないのに。


気持ちはもう、君にしかないのに、君のことを誤魔化さないといけないなんて。

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