第136話

「あれ?カレシ…かな?」


関さんが言うから、違いますと言おうとしたら、


「奏の会社の方ですか?奏がお世話になってます。」


って、そんな言い方したら、カレシって思われるじゃない。


「安藤さん、よく気がつくし、働きぶりもいいし、僕らの方がお世話になってます。

あ、タクシー、停まりましたよ。」


愛想笑いをする篤史と関さん。


義仁さんは黙ったまま。


「それでは、失礼します。」


「失礼します。」


篤史が私の背中を押して、タクシーに乗せようとする。


その時、


「待って。」


腕をグイッと引かれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る