飲み会のあと

キミが部屋に来た

第118話

「おいしかった。ご馳走さま。」


「もしよかったら、また食べにきて。試作品届いたら連絡するから。」


「うん。あっ!」


時計を見て、急に慌てるキミ。


「電車なくなっちゃう!」


泊まればいいのに…。


「えっ?」


「ん?」


「今、『泊まればいいのに』って言った?」


えっ?心の中の声、漏れてた?


そんなに飲んだつもりなかったのに。


「言った…かも?」


「ありがとう。でも電車まだあるし、帰るよ。」


引くでもなく、驚くわけでもなく、普通に答えるキミ。


それって、電車なかったら、俺の…男の部屋に泊まるってこと?


俺のこと、男として意識してないってことだよね。


あー、俺は、男というより、友達であり同僚なワケね。

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