第115話

「あー、分かる分かる!」




「ちょっと、散らかってるけど。」


出されたスリッパを履き、廊下を歩く。


「えー?キレイにしてるじゃない。」


「こっち、座って。」




小さめの食卓に、それを挟んで椅子が2脚。




「坂本くん、彼女は今日来ないの?」


「俺、彼女いないよ。」


「えっ!?嘘っ?モテそうなのに!」


坂本くんはクスッと笑って、


「モテるんじゃなくて、モテそうだから、いないのかも。」


「そんな意味じゃ…。」


「わかってるよ。

前カノは1つ歳上で、同じ大学だったんだけど、卒業、就職した途端、好きな男ができたから、別れてくれって言われて。」

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