第111話

「何、安藤さん、彼氏いたの?残念、坂本。」


まさか、バレたのかな……。


「いつだったかなぁ?アタシが朝コンビニに行くとき、バーから奏ちゃんが出てきたあと、男の人が奏ちゃんを見送るとこ、見たんだよね。」


「あ、ソレ、友達です。」


「友達?」


「なんだ、彼氏じゃなかったかぁ。」


「残念ながら。」


「でも、朝まで二人でいたんでしょ?」


「おいおい、突っ込んで訊くなよ!」


「だって、気になるんだもん。」


「なんにもないですよ。」


「ホントに?」


「ホントです。」


「よかったな、坂本!」


「え?何?坂本くんて、そうなの?」


「木原さん、もう酔いが回っちゃいました?」

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