第95話

「奏、明日も仕事だろ?ごめんな。」


「9時始業だから、朝早く帰れば大丈夫だよ。」


その時、私の携帯が鳴った。


義仁さんからだ。


「もしもし。」


『もしもし。奏?』


「はい。」


『昨日はごめんな?』


「いえ。」


「ゴホッ…ゴホゴホッ…。奏、水ちょうだい。」


「篤史、大丈夫?ちょっと待って。」


『奏、誰といるの?』


「ゴホッ…奏、早く水……。」


「あとでかけ直します。」


『かな…』


「篤史、お水だよ。」


「サンキュ」


「喉、大丈夫?強いの飲んだからじゃない?」


「うん。そうかも。」

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