第94話

他のみんなは、「明日も早いから」「終電出るから」と、さっさと帰ってしまった。


「奏ちゃん、悪いけど、俺、これから彼女と会う約束なんだ。篤史頼んでいい?もう、店閉めるから、カギ預ける。」


ノーと言えない私は、引き受けてしまった。


お兄ちゃんと、2つ向かい合わせにくっつけたソファーに篤史を寝かせ、私も 別のソファーに横になった。





「喉乾いた」


篤史の声に目が覚め、お水をグラスについで、篤史に飲ませる。


「奏?」


「うん。大丈夫?」


「みんなは帰ったの?」


「帰ったよ。」

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