第93話
「でも、あのあと、彼女と付き合ったんでしょ?彼女、そう言ってたよ。」
「…付き合ってなんかないよ。一晩の過ちだった。彼女もそれで了承したし。奏に言うつもりもなかったし、彼女にもそう言ったのに。俺は、別れたくなかった。」
「『終わりだね』って言ったら、『うん。』って言ったよね?」
「奏が終わりって言うから、もうダメだと思ったんだ。もしかして、別れたくないって言ってたら、別れずに済んでた?」
「今更だよ、こんな話。」
あの頃は篤史のこと、好きだったから、辛かった。
別の人と付き合っても、篤史のことばかり思い出して。
でも今は、義仁さんのことでいっぱい。
篤史はグラスを空けた。
「アニキ、強いの。」
「大丈夫か?」
「早く。」
お酒のことはわからないけど、お兄ちゃんが出した小さなグラスのお酒を飲んだあと、篤史はぐでんぐでんに酔ってしまった。
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