第86話

誕生日に渡さなきゃ。


義仁さんの携帯に電話する。


『はい、上條です。』


「安藤です。」


『ああ、お疲れ様。』


なんか、仕事モードみたい……。


「私、プレゼント渡すの忘れてしまって……」


『……月曜日でいいかな?』


「月曜日……ですか?」


『うん。』


「わかりました。じゃ、月曜日に。」


『じゃあ。』


今日渡したかったのに。


なんで、今日じゃダメなんだろう。


なんで、明日でもなくて、月曜日なんだろう。


それに、なんだかよそよそしかったし。

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