君と坂本がエントランスに出てくる。

「安藤さん、ごちそうさま。」

「ううん。お香ありがとう。」

すれ違い様に坂本が、

「俺、主任のための料理、食っちゃいました。うまかったですよ。でも、悪いのは主任なんで、悪く思わないで下さいね。」

と言った。

「義仁さん、上がりますか？もう、３時まで1時間切りましたけど。」

「……５時くらいまでなら大丈夫になったから。」

「そうですか？」

部屋にコーヒーの匂いが立ち込めている。

坂本に、コーヒーを出したのか。

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