第78話
14時。君のマンション駐車場に車を停める。
車の中から電話をかける。
長いコール音が流れ、出ないから切ろうとしたとき
『もしもし』
「奏?」
『はい。』
「今、マンションの駐車場にいるんだ。今から行っていい?」
『…………』
誰かと話す声がする。
「奏、誰かいるの?」
『はい。』
行けなくなったと言ったのは俺だけど…
「誰?」
『もしもし』
男の声。
『主任、坂本です。』
「なん…で」
『もう帰りますから。』
坂本が電話を切った。
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