第71話

エントランスまで迎えに出ると、ちょうど坂本くんがやってきた。


「これ、安藤さん、好きだよね?」


「あっ!お香だ!ありがとう。」


「じゃ。」


「待って、坂本くん!」


「なに?」


「ご飯、つくりすぎたんだけど、食べていかない?」


「いいの?」


「いいよ。」


「そうじゃなくて。俺、一応男だよ。女の子の一人住まいの部屋に入れていいの?」


「坂本くんはそんなことしないでしょ?」


「まぁ、しないけど。」

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