第55話

ベッドから半身を起こし、ベッドに腰かけた。


後ろから抱きつく。



「もっと一緒にいたい。」


と言うと、


「ごめん。」


と言われる。


それから、私の方を向いて、苦しいくらいのキスをして……


「見送らなくていいから。また連絡する。」


「……」


「奏。」


「……」


両手で頬を包まれ、上を向かされる。


「奏。泣いてるの?」


「……ごめんなさい。」


私を抱き締め、


「ごめん。奏。ごめんな。」


「私こそ…重くてイヤになりますよね。」


「いや、嬉しいよ。俺と一緒にいたいって、思ってくれてるってこどだよね?」


「はい。」


私が泣き止むまで、優しく抱き締めて、それから、義仁さんは、帰っていった。

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