第54話

今、私たちは、手を繋いでベッドにいる。


「かわいい奏が見られて嬉しかったよ。毎日でもこうして一緒にいたい。」


「私も…毎朝義仁さんの隣で朝を迎えたいです。義仁さん、一緒に住みませんか?」


「えっ!?」


義仁さんは、今まで見たこともないくらい、驚いた顔を見せた。だから…


「ふふっ。冗談ですよ。」


って、冗談にする。


「…………」


義仁さんが、私をギューって抱き締めて、


「ホントに一緒にいられたら…」


ポツリと言った。


「義仁さん?」


あの、私が心を奪われた笑顔を見せて、


「帰るよ。」


と言う。


「もう帰っちゃうんですか?」


と言うと、困った顔をして


「ごめんな。また月曜日に来るよ。ご飯、楽しみにしてる。」


と言ってキスをくれた。

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