第53話

「ここも、俺のこと、欲しがってる。」


「ひゃんっ。」


「見せて。奏の全部、見たい。」


「…いいよ。」


「キレイだね。」


「恥ずかしいです。」


「恥ずかしがってるの、すごくかわいい。」


「……舌っ、舌が……あ…」


「もっとかわいがってあげたいけど、俺が無理。

早く奏の中に入りたい。」


嬉しくて、涙目になって、義仁さんに向かって両手を広げる。


義仁さんが、私を抱き締めながら入ってくる。


「奏、まだ少ししか入ってないよ。」


「えっ、まだ?」


「奏、力抜いて」


私に優しいキスを落としながら、義仁さんが少しずつ入ってくる。


「全部入ったよ。」


「義仁さん。」


私は義仁さんに強く抱きついた。


「奏、奏、好きだよ。」


「私も…好き…です。」

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