第43話

君を部屋まで送ったとき、君が俺の腕を引っ張って…俺は君の部屋に入ってしまった。


君の淹れたコーヒーを飲んでしまった。


今まで飲んだ中で一番おいしかった。





君の部屋を2回目に訪れ、コーヒーを飲んでいるとき、妻から電話があった。


『早く帰ってきてね』


仕事が遅くなるときは必ず電話してくる。


『遅くなる』


と言えば、子供の声を聞かせる妻。


子供の声を聞かされると弱い。


俺は後ろ髪を引かれる思いで帰った。

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