歓迎会

第42話

歓迎会で、君の隣に座った。


もっと話したくて。


酔ったオヤジどもから守るために。


君は、『お酒、飲めないんです。』と言い、言葉通り、乾杯の音頭で一口飲んだだけで、頬を赤らめる。


それでも無理して飲むから、君のグラスに注がれたビールを、自分のグラスに移し、飲む。


君の斜め前の坂本が、時々君を見てる。


きっと、俺と同じで、見守っているんだろう。


それか、俺が君に何かしやしないか、見張っているのか。




君の関心を引くのは今日だと思った。


印象づけようと思った。


送り狼になるつもりはなくて、ただ、他の魔の手が及ばぬよう、家まで無事、送り届けたかった。

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