第41話

式の夜、彼女が泣きながら、妊娠は嘘だと告白した。


籍も入れ、入社も決まっている今、結婚を解消するわけにはいかなかった。


彼女のことは、愛してはいなかったけど、嫌いでもなかった。


というか、俺はそれまで、本当に人を好きになったことがなかった。


だから、こんなものだと思って、受け入れることにした。


結婚すれば、『孫はまだか』と言われる。


特に抱きたいとも思わない妻を、半ば義務のように抱いた。


結婚したのが3月で、そのよく翌年の4月、子供が生まれた。


俺も彼女も、25歳になる年だった。


子供はまぁ、かわいかった。


このまま二人で子供を育て、家族になっていくと思っていた。


3年後、君を見つけるまでは。

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