第40話

いよいよ就活の時期になり、彼女と遊んでる場合ではなくなった頃、別れを切り出した。


『就活に専念したい』と。


彼女は『それなら、うちの父の会社に入ればいい。』と言った。


ますます別れたくなった。


別れを渋った彼女は、『妊娠した』と言い出した。


まさか、それが嘘だとは露ほども疑わず、男としての責任を果たすため、入籍した。


入籍するまで、俺の第一志望の会社が、彼女の父親の会社だとは知らなかった。


社員に、社長令嬢と結婚しているということで、色眼鏡で見られるのを嫌った俺は、彼女と彼女の家族に、この結婚のことは、外部に漏らさないでくれと頼んだ。


結婚式は、ごくごく近親者だけで行った。

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