第28話

「しかも、ホントは妊娠してなかったという…。」


「マジで!?」


「うん。上條さんと別れたくなくて、嘘ついたらしい。」


「マジか。やるな、社長令嬢。」





俺は、座敷の入り口で靴を履くフリをして、聞き耳を立て、話の一部始終を聞いていた。




トイレから戻った二人に、関さんと原田さんも気づき、その話はそこで終わった。



あの子に、教えてあげなければ。


あの子が傷つく前に。




そのあと、主任はあの子を送っていった。

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