再会
第26話
入社式、あの子を見かけた。
しかも、同じ部署。
「坂本くん、だっけ。新入社員、この部署では私たち二人だけだね。宜しくね。」
あの子は、俺のことを覚えてなかった。
きっと、俺以外の人間にも、同じように親切にしてるんだろう。
だからきっと、いちいち覚えてない。
歓迎会の時、あの子の隣に主任が座った。
他の部署の女子からも人気の、上條主任。
主任は、酒に弱いらしいあの子の代わりに、ビールを飲んでいた。
あの子は恋する目で、主任を見ていた。
俺は、あの子の斜め向かいから、それを見ていた。
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