第24話

資料室に入ると、坂本くんは鍵を閉めた。


「坂本くん?」


「言ったよね。主任は止めとけって。」


「聞きたかったの。どうしてそんなこと言うの?」


「安藤さんが傷つくのが目に見えてるからだよ。」


「私が誰を好きになって、それで傷ついても、私の問題だから、気にしないで。」


ダンッ。


資料室の壁に押し付けられ、両手を頭の上で捕らえられる。


「坂本くん?怖いよ、止めて。」


目に涙が浮かぶ。


「ごめん。」


私を解放し、


「先に戻って。」


と言われる。


すぐに戻ることもできず、私はトイレに飛び込んだ。


坂本くん、普段から口数は少ないけど、ひどいことをしたり言ったりしないのに…。

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